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高齢者雇用が増える時代、企業の「通勤環境」はどう変えるべき?

高齢者雇用を続けやすくするために、企業が見直したい通勤環境と5つの対策を整理します。

高年齢者雇用というと、定年延長や再雇用制度、仕事内容、安全対策が注目されがちです。けれど、実際に長く働き続けてもらうためには、「無理なく職場まで通い続けられるか」という視点も欠かせません。

若い頃は問題のなかった徒歩や自転車、自家用車での通勤も、年齢や体力の変化、天候、勤務時間によって負担が大きくなることがあります。特に、駅から離れた工場・物流拠点・郊外事業所では、通勤手段そのものが就業継続や採用の条件になることがあります。

この記事で分かること
  • 高齢者雇用で通勤環境まで考える理由
  • 企業が検討できる5つの通勤対策
  • 送迎バスが向いている職場・向かない職場

高齢者雇用は「制度」だけで終わらない

厚生労働省の2025年「高年齢者雇用状況等報告」では、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は34.8%でした。さらに、2026年度から2029年度までの基本方針では、70歳までの就業確保措置の実施率を2029年までに40%以上とする目標が示されています。

企業にとって重要なのは「何歳まで働ける制度を用意するか」だけではありません。仕事内容、勤務時間、健康、安全、勤務地などを含め、実際に働き続けられる条件を整えることが必要です。その一つが通勤環境です。

65歳までの雇用確保措置
99.9%
2025年6月時点

70歳までの就業確保措置
34.8%
2025年6月時点

2029年の政策目標
40%以上
70歳までの就業確保措置

年齢とともに「同じ通勤」が負担になることも

たとえば最寄り駅から徒歩25分で、路線バスの本数が少なく、従業員の多くが自転車や自家用車で通勤している職場を考えてみます。若い頃には問題がなくても、夏場の自転車、雨の日の徒歩、早朝・夜間の運転などは、年齢を重ねるにつれて負担になりやすい場面があります。

高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の高年齢者活躍企業事例でも、加齢により自転車通勤が難しくなった社員に会社負担で送迎を行った例や、自宅に近い店舗へ勤務地を変更した例が紹介されています。ポイントは、「高齢者だから一律に送迎する」のではなく、本人にとって何が負担なのかを確認することです。

通勤は「働けるか」を左右する条件の一つ
働ける仕事内容があっても、毎日の通勤が難しければ就業継続は難しくなります。仕事の設計と同時に「会社までの道のり」も確認することが大切です。

企業が考えたい5つの通勤対策

1|勤務時間を調整する
公共交通を使いやすい時間帯への変更、時差出勤、短時間勤務などを検討します。早朝・夜間勤務がある職場では、通勤手段と勤務時間をセットで見直すことが重要です。
2|勤務地を調整する
複数拠点がある企業なら、自宅から近い事業所への配置変更も選択肢です。仕事内容を大きく変えずに通勤負担だけを減らせる場合があります。
3|出勤日数を調整する
業務によっては週の出勤日数を減らしたり、一部を在宅勤務にしたりする方法もあります。毎日の移動そのものを減らす考え方です。
4|通勤手段を増やす
駐車場の確保、自家用車通勤のルール整備、公共交通との接続など、職場の立地に合わせて利用できる手段を増やします。
5|従業員送迎を検討する
駅から遠い、路線バスが少ない、朝夕に移動需要が集中するといった職場では、駅と事業所を結ぶ送迎バスが合う場合があります。

送迎バスが向くのはどんな職場?

送迎は便利ですが、すべての企業に必要なわけではありません。駅から近く、公共交通が十分にある職場なら、勤務時間の調整や柔軟な働き方の方が適していることもあります。反対に、通勤の課題が職場立地そのものにある場合は、送迎を検討する意味が大きくなります。

職場の状況 まず検討したいこと 送迎の検討度
駅近・公共交通が充実 勤務時間や働き方の調整 低め
駅から遠い工場・倉庫 アクセス手段の追加 高め
早朝・夜間勤務がある 勤務時間と交通手段の両面見直し 中〜高
朝夕だけ移動が集中 ピーク時間だけの送迎 高め

通勤改善は高齢者だけのためではない

通勤環境を整えるメリットは、高年齢者だけに限りません。車を持たない若年層、新卒社員、外国人材、パート・アルバイト、子育て中の従業員などにとっても、通いやすさは職場選びの重要な条件です。

求人票に「60代活躍中」「シニア歓迎」と書いていても、駅から遠い、車通勤が事実上必須、公共交通が動いていない時間帯の勤務がある、といった条件では応募できる人が限られます。高齢者雇用をきっかけに通勤環境を見直すことは、採用対象を広げる取り組みにもつながります。

朝夕だけ送迎が必要な場合の考え方

企業送迎では、朝の出勤時と夕方の退勤時だけ車両が必要というケースがあります。その場合、必ずしも一日中バスを確保する方法だけが選択肢ではありません。

NORI・NORIでは、運転手付き貸切バスを時間帯ごとに活用する「タイムシェア」という考え方があります。たとえば、最寄り駅から工場・物流拠点までの出勤時間帯だけ利用するなど、移動が集中する時間に合わせた運用を検討できます。

ただし、送迎を先に決めるのではなく、まずは「駅から遠いことが課題なのか」「勤務時間が公共交通と合っていないのか」「自家用車に依存しすぎているのか」を整理することが大切です。課題が分かれば、送迎以外の方法も含めて比較しやすくなります。

よくある質問

Q. 高齢者雇用のために送迎バスは必須ですか?
いいえ。駅から近い職場や公共交通が十分な職場では、勤務時間調整や勤務地変更などで解決できる場合があります。
Q. どんな職場で送迎を検討しやすいですか?
駅から距離がある工場・倉庫、路線バスが少ない郊外事業所、早朝・夜間勤務がある職場などです。
Q. 高齢者だけを対象に送迎してもよいですか?
対象者の決め方は社内制度や運用との整合が必要です。年齢だけで決めるのではなく、通勤上の課題や勤務条件を確認して設計する方が実務的です。
Q. 送迎を始める前に何を確認すればよいですか?
利用人数、乗降場所、出退勤時間、曜日ごとの需要、既存の公共交通、必要な車両サイズなどを整理すると検討しやすくなります。
Q. 10月に高齢者雇用を見直す意味はありますか?
JEEDでは10月を「高年齢者就業支援月間」としています。制度だけでなく、実際の働きやすさを点検する機会として活用できます。

まとめ|「会社まで通えるか」も雇用環境の一部

高齢者雇用を続けやすくするには、定年制度や仕事内容だけでなく、勤務時間、勤務地、健康、安全、そして通勤まで含めて考えることが重要です。

特に駅から離れた事業所では、通勤の負担が採用や就業継続の障壁になっていないかを確認してみる価値があります。勤務時間の変更、勤務地の調整、在宅勤務、通勤手段の追加、従業員送迎など、自社の状況に合う方法を比較することから始めましょう。

参考資料
厚生労働省「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」
厚生労働省「高年齢者等職業安定対策基本方針」
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「高年齢者活躍企業事例サイト」
※掲載データ・制度情報は2026年9月28日時点で確認した公表資料をもとにしています。

貸切バスの「タイムシェア」という選択肢
NORI・NORIのタイムシェア
通常の貸切バスでは、行きと帰りの移動の間に長い待機時間が生まれることがあります。
NORI・NORIでは、その待機時間の一部にほかの利用者の運行を組み合わせ、短い待機を残しながら、バスをより効率的に活用します。
通常の貸切バス
移動
長い待機
移動
行きと帰りの移動の間に、長い待機時間が発生
↓
NORI・NORIのタイムシェア
移動
待機
他の利用者
待機
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待機時間にほかの利用者の運行を組み合わせ、待機時間を減らして効率運行
待機を減らして、貸切バスをもっと使いやすく

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