貸切バスを利用する際、「料金の決まり方がよく分からない…」「見積もりの金額が思ったより高かった…」と感じたことはありませんか?
実は、貸切バスの料金は、さまざまな要素が組み合わさって決まるため、単純に「距離が短いから安い」「利用時間が短いから安い」とは限らないのです。
貸切バスを安くお得に利用するためには、貸切バスの料金の仕組みを知る必要があります。
本記事では、貸切バスの料金がどのように決まるのか、その仕組みを詳しく解説していきます!
1. 貸切バスの料金の基本構造
貸切バスの料金は、主に以下の3つの要素によって決まります。
① 利用時間(時間制)
- 利用時間が長くなるほど、ドライバーの拘束時間が増え、料金が高くなる
- 「最低利用時間」が設定されており、短時間でも最低3時間分の料金が発生する
② 走行距離(km)
- 走行距離が長いほど、燃料代やドライバーの負担が増えるため、料金が高くなる
- 長距離運行では、高速料金や有料道路の料金も加算される
③ 回送時間・距離(車庫からの移動)
- 貸切バスは、車庫から出発地へ移動し、利用後に車庫へ戻る必要がある
- この距離が長いと、その分の走行時間や距離が追加され、料金が高くなる
- さらに、出庫前・帰庫後の「点検時間」も料金に加算される
「走行距離」と「利用時間」は直感的に理解しやすいですが、実は料金に大きく影響を与えるのが「回送時間・距離」です。この「回送」の仕組みを知らないと、「短時間しか利用しないのに思ったより高い」と感じることがあります。
貸切バスの料金には、バスの車両代とガソリン代やドライバーの人件費、自賠責保険代などが含まれています。
なお、バスガイドの手配や特殊車両の利用など、オプションによる追加料金が発生する場合もありますが、今回の記事では割愛します。
2. 料金の算出方法
貸切バスの料金は、各バス会社が国土交通省のガイドラインに基づいて計算しています。
一般的な計算式
時間制料金
(利用時間+回送時間+点検時間)
+
距離制料金
(走行距離+回送距離)
+
実費
(高速代・駐車場代)
実費を除く、純粋な貸切バスの料金イメージを図で示すとこのようになります。
こちらを見て分かるように、「回送時間・距離」は、「時間制料金」「距離制料金」のそれぞれにかかってきます。
では、具体的にどのように計算されるのか、例を見てみましょう。
🚍 例:5時間・50kmの貸切バス(マイクロバス)利用の場合
項目 | 料金の目安 | |
---|---|---|
時間制料金 | 利用時間(5時間) | ¥25,000 |
回送時間(1時間) | ¥5,000 | |
点検時間(2時間) | ¥10,000 | |
距離制料金 | 走行距離 | ¥10,000 |
回送距離 | ¥2,000 | |
実費 | 高速代 | ¥2,500 |
駐車場代 | ¥2,500 | |
合計 | ¥54,000 |
バス会社によって料金体系は異なるためこれはあくまでも一例ですが、「回送時間・距離」が料金に影響してくることがイメージできますでしょうか。
このように、利用時間や利用時間内の走行距離だけでなく、回送時間や回送距離も含めて総額が決まるのです。
3. 貸切バスの種類による料金の違い
貸切バスには、乗車人数や設備によってさまざまな種類があります。
料金の算出方法は、基本的にどんな種類のバスでも変わりませんが、時間制・距離制料金の単価が異なるため、料金にも違いが出てきます。
🚍 バスの種類別の料金目安
バスの種類 | 定員 | 料金の目安(5時間利用) |
---|---|---|
マイクロバス | 21~28名(補助席含む) | 50,000円~70,000円 |
小型バス | 20~25名(補助席なし) | 60,000円~80,000円 |
中型バス | 27~33名 | 80,000円~120,000円 |
大型バス | 45~60名 | 90,000円~150,000円 |
マイクロバスは、補助席を含めれば値段の割に乗車できる人数が多く、コストパフォーマンスは高いですが、荷物スペースが無く、シートがリクライニングが出来ないので、長距離の移動には不向きです。
大型バスは設備が充実している分、料金も高めになりますが、大人数で乗るほど1人あたりのコストは下がります。
料金や定員数だけでなく、利用用途に応じて適した種類のバスを選ぶことが重要です。
4. その他貸切バスの料金が変動する要因
貸切バスの料金は、利用する状況によって大きく変わります。
① 繁忙期と閑散期
-
- 3~4月、10~11月は、遠足・修学旅行などの需要が高く、料金が高めになる
- 逆に、1~2月や7~8月は比較的需要が少なく、料金が安くなることがある
- ゴールデンウィークや年末年始は特に高額になりやすい
② 平日と休日
-
- 土日祝は需要が高いため料金も高めに設定されることが多い
- 平日利用なら割引が適用される場合もある
③ 出発地・目的地のエリア
-
- 都市部ではバス会社が多いため価格競争があり、比較的安くなる
- 郊外や地方ではバスの台数が少なく、料金が高くなりがち
直前の予約では、バスの空きが少なくなるため、料金が高騰しやすく、場合によっては車両を確保できないこともあります。特に繁忙期や休日は、早めの予約が重要です。
EX. 30分の利用でも「5時間分の料金」がかかる?
貸切バスの利用時には、輸送の安全を確保するため、「最低時間」が決められています。
貸切バスの「最低時間」
貸切バスは、短時間・短距離の利用だと採算が合わないため、走行時間は最低3時間からと設定されています。また、点検時間も出庫前1時間、帰庫後1時間の合計2時間を取るよう定められています。
つまり、たとえ30分しかバスを利用しなくても、最低5時間分の時間制料金が発生する仕組みになっています。
項目 | 必要な時間 |
---|---|
実際の利用時間 | 0.5時間 |
料金計算上の走行時間 | 3時間(※最低3時間分は必ず発生) |
点検時間(出庫前+帰庫後) | 2時間 |
料金対象時間 | 5時間分 |
これは、国土交通省のガイドラインに基づき全国的に適用されているルールです。
まとめ – 貸切バスの料金を賢く理解しよう!
貸切バスの料金は、「利用時間」「走行距離」「回送時間・距離」をベースに決まり、繁忙期・曜日・バスの種類などによって変動します。
🚍 料金を決めるポイント
✔ 時間と距離の組み合わせで料金が決まる
✔ 回送距離が長いとその分コストが増加
✔ 繁忙期や週末は高め、閑散期や平日は割安
✔ バスの種類によって料金が異なる
料金の仕組みを理解しておくことで、予算に合わせた最適なバス選びが可能になります!
次回、貸切バスを安く借りるためのポイントを解説します!!
・ 相見積もりを取る – 3社以上のバス会社から見積もりをもらう
・ 出発地・目的地に近いバス会社を選ぶ – 回送距離を短縮しコスト削減
・ 利用時間を短縮する – 不要な待機時間を削減
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